今回は赤ちゃんの目の続きで、NICUではよくある「眼底検査」についてです。
眼底検査の日は赤ちゃんの目が赤くなっていたり、ぐったり疲れていたり。面会や育児も制限されていたりとあまりいい印象はないかもしれません。
1.眼底検査とは
眼底検査とは、目の奥(眼底)に光を当てて、網膜や視神経などを観察し異常がないかを調べることです。
早く生まれた赤ちゃんは、「未熟児網膜症」という目の症状が起こりやすいため、悪化させないようにその子に合ったペースで検査を受けます。生後3週間ごろから検査を始めることが多いです。また、生まれた後に酸素を使った場合も受診することがあります。
2.どうやってやるの?目薬の副作用って?
①まず眼底検査をするために「散瞳」する必要があります。(散瞳することで眼底が見えるようになります)
そのために、検査の前に目薬をさします。この目薬が少しやっかいで・・
副作用として
・無呼吸(息を止めてしまう)
・徐脈(心臓の動きが一時的にゆっくりになる)
・消化管の運動低下(おなかが張る、哺乳が進まない、消化が悪いなど)
がよく起こります。なので、眼底検査の日はちょっと体調が悪くなってしまう子も多いです。
②散瞳すると眩しいので、眼科医が来るまで保育器や部屋を薄暗くして待ちます。
③眼底検査のときは目をしっかり開ける必要があります。赤ちゃんに、「目をしっかり開けてねー!!」と伝えても難しいので、↓のような器具で目を開けます。見た目は痛そうですが、眼底検査用の器具なので安全に使えます。
ただ、途中で赤ちゃんが暴れてしまうと危ないので、タオルなどでしっかり手もくるんで、看護師が優しく押さえながら実施することが多いですね。
検査の方法としては、開いた目に光をあてて、拡大鏡のようなもので目の奥を観察します。血管が変な方向に伸びていないか?出血はないか?などを見ています。
(使う機械は眼科の先生や施設によって様々です)
検査のあとは目の周りが少し赤くなってしまうことがありますが、すぐに治るので安心してください。
※絵が下手でホントすみません。
④検査が終わったら、おくるみを外して引き続き部屋は薄暗くしたまま経過観察します。目薬の副作用が強くでることも珍しくないので、当日のご家族による育児はおやすみになることもあるかもしれません。
眼底検査は、見た目もなかなかインパクトのある検査です。
遭遇してしまうと辛く感じる方もいらっしゃると思います。
未熟児網膜症は進行し始めると早く、将来の視力にも大きく関わる症状なので、一緒に乗り越えていければと思います。