息が止まるので、みるみるうちに顔色が悪くなったりモニターがじゃんじゃん鳴り響いたりして、居合わせるとびっくりするかと思います。
1.無呼吸とは?
早産の赤ちゃんの無呼吸の定義は「新生児の呼吸が20秒以上止まること」「呼吸が止まることで心拍数が下がる(1分間に80回以下)、SpO2が85%を切ること」です。
※なにか無呼吸が起こる原因となる病気があるときはまた別です。
2.無呼吸はなぜ起こるの?
無呼吸の原因としてはおおまかにいうと2つ。
①気道が閉塞している/しかけている
モゾモゾ動いて姿勢が崩れると、無呼吸を起こしやすいです。大人も変な姿勢だと苦しいですよね?
赤ちゃんはまだ自分で姿勢を直せないので、大人が姿勢を直してあげる必要があります。姿勢を直してあげるとすぐに良くなります。
②未熟なため起こる無呼吸
早く生まれた赤ちゃんはまだまだ成長発達途中です。脳が「呼吸してねー!!」と命令を出すのを忘れてしまったり、からだにうまく伝わらないことがあります。
また、何らかの理由でからだの中の酸素が減ったときは「呼吸の回数を増やす」ように働くのですが(全速力で走ると息があがりますね)、早く生まれた赤ちゃんたちはうまく対応できず「呼吸がさらに減る/止まる」という反応を起こします。
そのため、無呼吸が起こりやすい状態になります。
3.無呼吸が起こったら?
無呼吸が起こると、モニターの数字が大きく変化することが多いです。
まず、息をしていないので「呼吸数」のグラフが平らになる。そしてSpO2(酸素の値)が下がってくる。HR(心拍数)の値も下がるかもしれません。
赤ちゃん本人をみると、息をしていないのでからだが上下に動いていません。
いちおう上に書いたように無呼吸とは「20秒以上の呼吸停止」なのですが、息を止めている赤ちゃんを20秒以上ほっておくなんてことはせず、「息をするのを思い出してね」との思いを込めて優しく赤ちゃんのおしりをさすります。それでもなかなか呼吸が始まらないときは、からだを起こしたりして刺激します。それでも難しいときは、マスクをあてて強制的に空気を肺へ送ります。
姿勢がどうだったか、本人の呼吸の戻り方はどうだったかを振り返ります。
4.無呼吸の治療、その後は?
基本的には週数が進めば進むほど頻度は下がっていきます。口からミルクを飲む練習を始めると、疲れてやや増えることはあるかな・・?
無呼吸を起こすような病気がなければ、成長とともに良くなります。なので、無呼吸が起こったらすぐに駆けつけて刺激→呼吸を思い出してもらう→姿勢を直す の繰り返しになることが多いです。あまりにも頻度が多いときは(早産の子は毎日何回も起こすことが多々ありますよ)無呼吸発作を軽減する薬を飲むこともあります。副作用でおなかがはったり気持ち悪くなりやすいのでそこは本人の状態を見て医師が決めます。
また、無呼吸で疲れ切ってしまい体重が増えない、ほかに何か弊害が起こっているときは、成長を待ちながら呼吸器を使うこともあります。